一般的にガラスやシリコン基板は化学的に安定しているので、表面を改質して親水性を高めたい場合は強力な酸で処理を行う必要があります。古くから用いられてきた表面改質方法のひとつはピラニア処理で、濃硫酸と過酸化水素を混合させたSPM溶液を使用します。SPM溶液を作成する際に発熱したり爆発性のガスが発生する恐れがあるため、非常に危険なプロセスといえます。無機物質の表面を改質する際に昔から行われてきたピラニア処理に代わり、現在はプラズマ装置が多く用いられています。

プラズマ装置はラジカル状態で反応性の高い電離したガスを対象物に直接照射させるもので、ピラニア処理と同様にガラスやシリコン表面に水酸基を付加させることが可能です。プラズマガスを照射するのは大気圧または減圧下で実施することから、プラズマ装置は溶液を一切使用しないというメリットがあります。処理後は強酸を含む廃液が発生しないため、環境負荷が非常に軽くて廃液処理のコストがかかりません。プラズマ装置はガラスやシリコンなどの無機物だけでなく、ポリプロピレンなどの樹脂の表面を改質する際も多く用いられます。

この方法だと溶媒や強酸を必要としないため、有機物の内部にダメージを与えずに表面だけを改質させることができるからです。プラズマ装置はスイッチをオフにすればただちに電離ガスの発生が止まるので、強酸を使用した処理と比べると安全性が高いというメリットもあります。